カブちゃん熊日ニュース~其の18「荒瀬ダム撤去、着工から5年 光る清流、アユ跳ねる」
球磨川にある県営荒瀬ダム(藤本発電所、八代市坂本町)の撤去工事は9月1日で丸5年を迎えた。
今年3月までに、左岸側に半分横たわっていたダムの基礎部分が姿を消し、本体の撤去はほぼ終了。青く光る流れの中に、コンクリートの構造物はもう見えない。
よみがえった清流ではアユ釣りを楽しむ人の姿も。ダムのすぐ下流にある「道の駅坂本」近くでは、同市島田町の緒方義雄さん(70)が「ダムが無くなり、水がきれいになった。魚釣りとしてはうれしいですね」と笑顔。1時間足らずでアユを10匹ほど釣り上げていた。
道の駅の敷地内では、7月に地元の住民自治協議会を中心に開店した、アユ料理の食堂がにぎわう。地域活性化策の一環で、清流の恵みに親しんでもらおうと、観光やな場を設ける計画もある。
県が2012年9月に始めた撤去工事は本年度、管理所や発電所など関連施設の取り壊しが進んでいる。来年3月には、5年半に及ぶ全国初のダム撤去工事が完了する。 (平井智子)