熊本日日新聞 7/21朝刊「豊かな有明海に 沿岸の漁業者らが海底耕うん調査」
有明海沿岸の県内の漁業者が20日、熊本市西区松尾の沖合約2キロで海底耕うんに取り組んだ。ヘドロがたまっているとされる海底の環境改善に向け、より効果的な耕うんの手法を調べている。
国が県に委託して2009年から実施。15年から松尾と南区川口、荒尾市、玉名市の沖合で毎夏、県漁連が調査している。県水産振興課によると、海底の有害物質量や酸素濃度に改善の傾向がみられるという。併せて耕うんに効果的な器具の検証もしている。熊本市と宇土市の8漁協から、熊手やローラーのような耕うん器具を取り付けた漁船計24隻が出港。2キロ四方の海域を、耕うんしない区画、改良型器具で耕うんする区画など四つに分け、作業に取り組んだ。松尾沖では22日まで続け、その後、海底環境の変化を観察する。同日は別の6漁協が荒尾市沖でも実施した。
川口漁協の藤森隆美組合長(66)は「耕うんを続けた場所では、近年少なくなったアカガイやクルマエビの稚魚などが戻ってきた。有明海再生のため、引き続き調査を進めてほしい」と話した。