熊本日日新聞 7/8朝刊 「世界遺産の観光ルート目指せ 天草・崎津漁港-長崎港間で旅客船の試験運航始まる」
天草市河浦町の崎津漁港と長崎市の長崎港を結ぶ新航路で7日、試験運航が始まった。世界文化遺産登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産を結ぶ新たな観光ルート開設に向けた第一歩を、地元住民が歓迎した。
正午ごろ、長崎港からの第1便が崎津漁港に到着。乗船客48人が港に降り立つと、天草女将[おかみ]の会のメンバーや園児らがのぼり旗を立てて歓迎。牛深ハイヤ保存会は牛深ハイヤ踊りを披露し、くまモンなど地元ゆるキャラも出迎えた。
大江教会や天草キリシタン館などを巡る1泊2日のツアーで訪れた長崎県長与町の奥山秀幸さん(74)、照美さん(73)夫妻は「崎津のキリシタンの歴史に触れたい。イルカウオッチングや地元料理も楽しみ」と期待していた。
試験運航は、国土交通省の「船旅活性化モデル地区」事業。新航路での運航を目指す五島産業汽船(長崎県新上五島町)が、300人乗りの旅客船(293トン)を、10月1日までの金、土、日曜に運航する。旅客船の発着に合わせた天草観光ツアーや観光バス・タクシープランも用意されている。
7月6日現在、崎津漁港発着の予約客は286人。